中古車の納車前整備事例 -輸入車編-
-ミニクーパーD中古車納車前の整備実例をご紹介します
中古車の整備実例のご紹介
当店は新車を扱っておりますが、もちろん中古車も取り扱っております。
今回は当店に中古車をご依頼いただいた場合、納車までどのような整備をするのか、整備の実例をご紹介します!
中古車を探す為にお聞きする条件は下記ページにてご確認ください。
国産5年落ち以内は新車が吉
国産車で「3年落ち3万km以内で探して」と言われる方が多いです。確かに新車価格より多少安いのですが、私達からすると「割高」に感じる事が多いです。特に「軽四の4WDで」なんて言われると新車と値段がほぼ変わらない事もあります。昔は未使用車なんてシステムが流行りましたが、やはり普通に新車の方がメリットがあるので今では聞かない言葉となりました。
国産車の場合、5年落ち以内を買うなら頑張って新車を買った方が良い場合が多いです!新車には値引きがあり、消耗品を含めた全ての部品が新品で車検が満タンである事を今後の維持費に考慮すると価格差はグッと縮まります!
輸入車は中古車がおすすめ
一方で輸入車は中古がお買い得です!3年経過くらいからけっこう価格が下がっているからです。
皆さんは輸入車ディーラーに行った事はありますか?私が過去に行った経験談ですが「5年間の点検と保証延長パックを付けていただくと、急な出費もなく安心して5年間乗れますよ」と高額なパック代(例えば15万円)を提案されます。私が「高いからとりあえず無しで!」と言っても「輸入車でこれを付けない人はいません!不安で夜も眠れないので是非付けましょう!まずは“見積もり”なんで入れときます!」とほぼ強制です(汗)
ちなみに国産車は3年パック6万円ほどを半強制加入ですが、そもそもディーラーの点検パックは高額なのでこれも不要と考えてます。
なので市場に出回っている5年落ち以内の中古車は過剰なほどに部品交換されているので程度が良い場合が多いです。中古車を買う側はお得なのですが、新車でパック費用を払った方は交換部品代を払わされてます。全てが無駄とは言えませんが高いですよね…(^_^;)
輸入車は中古車になる事でお値段はグッと買いやすくなるよね!
整備予算が第一
中古車の概算見積もりを作成する時に、例えば「この年式&走行距離だとバッテリーと油脂類交換やその他含めて5万円」「輸入車は部品代高いので、とりあえず整備費用10万円」など、交換部品を予想して概算整備費用をお伝えしております。あくまで予想なので金額の前後する事はありますが、概ね提示した予算内に収まるように努力します。
中古車のデメリットの一つとして、今までの使用歴・整備歴がわからない事。消耗品はいずれ交換時期がくるので、早いうちに交換して良い状態にしておけば安心ですね!
輸入車の中古車を探すとき、年式と走行距離、どちらを優先するか?
これは好みの部分もありますが今まで経験してきた中で言いますと、輸入車の場合は経年劣化の部品交換が多い為に年式を優先した方が良いと思ってます!輸入車はエンジンの肝心な部分に樹脂製品が使われていたりと、距離による劣化より経年による劣化が多いと思います。これは私自身が輸入車ユーザーとして、整備士として、実際に感じてます。
車検が残っているか、取り直すか
車検が切れている場合はもちろん車検を取得した概算見積もりを提示します。車検が残っており整備だけして納車する場合も車検と同等の点検を行います。数か月以内に車検が切れるお車は、新たに車検を取得してお渡しする事が多いです。
税金・諸費用が違ってきますが、整備費用はどちらもあまり変わりません。
納車までの期間は?
下記にご紹介する事例で整備・名義変更などで車両到着後から約2週間です。軽自動車など、この地区で車庫証明が不要な場合は最短1週間ほどで納車が可能です。
BMW MINIクーパーDの中古車の整備実例
オークション等で購入してから当店に10日間ほどで陸送されてきます。到着後、キズの確認と簡単な走行チェックを行ってから、整備に入ります!
今回は車検が半年ほど残っているので、「基本的な消耗品を交換+半年乗ってみて車検時に追加で部品交換」にしてみました。
今回ご紹介するご依頼事項は「今回交換した方が良いと思った消耗品の整備費用は上限無し・お任せで全て自由に交換してほしい!」です(汗)
24か月点検実施
24か月点検(貨物車は12か月点検)、エンジンオイル・オイルエレメント・下回り洗浄・シャシブラック塗装はデフォルトです。+車検となると、ブレーキオイルなども交換します。
この時にその他バッテリーやオイル漏れなども点検し、必要なら予算内で交換します。予算を大幅に超えそうな場合はお客様に連絡します(^_^;)
フツー過ぎるので点検の紹介は割愛。他に中古車でよくあるオススメ作業や変わった事例を紹介します。
ドライブレコーダー取付
新車・中古車問わずドラレコ付ける方は多いです。必要分の電源ソケットを別箇所に増設して設置します。これで運転席側のシガーソケットは問題なく使用可能に!
当店でドラレコやレーダー探知機の電装部品を取り付ける場合は、このようにひと手間かけます。
エアコンフィルター交換
室内を循環しているエアの汚れを取るフィルター。前オーナーの使用汚れにつき中古車なら交換しておきたい部品第一位です!
エアコンガスクリーニング
画像使いまわしですが、もちろんエアコンガスクリーニングを実施!ほとんどの場合でエアコンガスは規定量以下なので、これも中古車の場合はほぼデフォルトで予算内に入れてます。
コーディング
ナビのスピードロック解除・デイライトONOFF切り替え追加・リーガルクレーマーの解除・USBビデオ再生機能有効化などフルコースで!実際に設定した項目は下記リンクでご紹介しております。
MINIに限らず、走行中のナビ操作やテレビ視聴可化は多くご用命いただきます。
DPFクリーニング
昨今のクリーンディーゼル車の必須作業とも言えるDPFクリーニング作業。中古車で購入したらどれだけ煤が溜まっているかわからないので、これも納車前にやっておきたい!ワコーズのディーゼル2を使用します。
燃料フィルター交換
そんな頻繁に交換しない燃料フィルター。DPFクリーニング同様に中古車で購入したタイミングで一度交換しておけば安心ですね。
特にクリーンディーゼルエンジンはこのフィルターの定期交換が必須で、インジェクターの寿命に大きく影響します!
エンジンマウント交換
BMW製のMINI全年式の泣き所のエンジンマウント。このF系MINIが一番弱い気がします。このクルマも当然潰れているので交換します。下側のマウント(ぺンドラムサポート)は交換歴がありそうです。
レクサス純正の低音ホーン追加
ホーンの音色が「ポー」と音量不足で壊れてるかのような、欧州車らしからぬ残念な音が?
調べるとF系MINIのクーパーS以下は高音側ホーン1個のみ装着で低音側は非装着との事。今回は低予算で仕上げたい為に、通常は2個セットで交換するところを実験を兼ねて1個約3000円のレクサス純正の低音ホーンを追加しました。
そんなわけでMINI純正高音ホーンとレクサス純正の低音ホーンの組み合わせは世界初ではないでしょうか…?組み合わせが悪く汚い音になってしまわないかと心配しましたが…ほぼレクサスの音色でした!
ATF交換
なんとミニの一部グレードには8速ATという素晴らしいオートマが搭載されております!全合成油であるワコーズのATFプレミアムスペックを用意し、オーバーフロープラグやOリング類(約3500円)も一緒に交換します。
変速もよりスムーズになりました。
抜けてきた真っ黒なATF
下抜きにて交換。真っ黒なオイルが出てきます。
圧送式で交換するお店もありますが下抜きが断然リーズナブルで、例えば「20000km走行毎に下抜き交換」もおすすめです!
ATF量の確認・調整方法
最後にATF量の調整をするのですが、念のために抜けた量を計測しておきます。少なすぎる・多すぎるなどトラブルが起きていないか確認する為でもあります。
ATF量の調整方法をザックリ説明すると「油温35℃ほどでアイドリング状態Pレンジでオーバーフロー」で調整です。
低ダストブレーキパッドに交換
輸入車乗りならわかると思いますが、純正ブレーキパッドのダストの多さはすごいです!私も以前に納車1日目であまりのホイール汚れに即交換を決意した過去があります。
記録簿を確認したところ半年前にディーラーで純正交換しておりほぼ新品なのですが低ダストパッドに交換します。プロジェクトミューやディクセルが人気です。
電動ブレーキの整備モード
ちなみにリヤ側は電動パーキングブレーキを採用している為、交換には診断機による整備モード移行が必要です。
低ダストパッドへはいつ交換するのがベスト?
輸入車の純正ブレーキパッドはしっかり止まる為にローターへの攻撃性も高く、ダストや鉄粉もすごく多いです。ブレーキパッドの低ダスト化はローターの保護・汚れ軽減(洗車回数減)・ボディへの鉄粉付着量減と、メリットづくしなので、「いつか交換したい」とお考えの方はすぐに交換をおすすめします。
まとめ
中古車をご納車する前の整備についてご紹介致しました。何も指定が無ければ提示予算を優先して予算内で整備して納車します。しかし現車優先ですので予想以上の交換部品が出る場合もございます。予算をオーバーしてでも交換した方が良い部品があった場合は追加連絡します。中古車はこのように多くの消耗品を交換するので、車種や年式によっては新車の方が断然コスパが良い場合もございます。
“指定整備工場のお店が売っている中古車”なので、中古車販売専門店より安心してお乗りいただけるのがウリですね!
カテゴリーとしては悩みましたが、中古車は納車までどんな事をするのか整備事例のご紹介なので「中古車情報」のカテゴリーといたしました。